私:「Aさん?ちょっと気になるところがあるので、科目明細書をもらって頂けませんか?」
Aさんは、少し慌てた顔をして「なんで?なんで?そんなのいきなり聞けない!!」と言い出しました。
私は「ウソこけ、できるくせに!!」と心の中で罵倒しましたが、こちらの考えを述べると裏をかかれるので「そうですか~では、もう少し考えさせてください」と伝えたところ、Aさんは憮然としながらも「固いな~」と半分侮辱する様な抑揚をつけながら私のところを去っていきました。
それから、その支払手形の振出先を調査すべく、他の営業マンに聞いたり、業界の風評を拾い、商取引において手形を振出す様な相手先の有無を調べたのですが・・・出てきませんでした。
再度、思い切ってAさんを通じて科目明細を要求したところ案の定「拒否」の返事でした。
内外から「お宅の与信管理は固いな~」という声が聞こえてきそうでしたが、ここは我慢して「では、もう1年様子を見させて欲しい」と保留としました。
そして1年後、「元気だぞ」とばかりに社長ご自身から決算書を送ってきてくれましたが、「まだ手形が載っている」。
私が手形を気にしている事は先方も営業マンAさんも知りません。そうして「もう1年我慢して」と「えーまだなのかー?」を、その後2年程繰返したのですが、ある日突然「あの会社が破産した?」という情報が入ってきたのです。
(③へつづく)