頂いた決算書を当社の定量分析の最強武器である「決算アラーム分析システム」に入力してみると「あれあれ?」予想に反して最悪のアラーム評価となってしまいました。
このアラーム評価になると「この企業は既に致命的な課題があり資金繰りは破綻状態で、2年以内に何らかの形で克服できなければ倒産せざるを得なくなる」という状態であることを示し、その的中率はなんと90%を超える精度の高さでありましたから、こちらも混乱してしまいました。
「なんでなんで?」と思っているうちにちょうどのタイミングで信用調査が更新され、決算書も掲載されていたので至急取り寄せました。評判がいいので社長さん、信用調査にも決算書を提出した様でした。
まず見て驚いたのは「なんだこの決算書、まるで違うくない?」「ありゃー!!」と叫びたくなるほど。
なんと、売上から総資産から何から何まで違うものとなっておりました。何かの間違いだろ?と思いましたが余計な事は言わず、リース会社の担当者に「御社が受け取った決算書は、調査書の内容と同じでしょうか?」と伺ったところ、一つ返事で「確かに同じですね」との事で、私たちは、なんて言っていいか分からず状態になってしまいました。調査書の決算書のほうをアラーム分析に入力すると確かに「優良」。
そう、どちらかの決算書が完全に嘘であるという事がわかりました。まず、事を荒立てたくなかったので、ごまかしてもバレ難い売上を確認することにして、市場の予測に長けている営業マンに頼んでお店に足を運び売上を予想してもらったところ「当社に提出された売上が、ほぼ正しい数字だ」との結論になりました。
「世間にいい顔したいのはわかるけど、なんで嘘ついてるんだろ」なんて思っていた矢先に・・・(③につづく)