弁護士というのは、大学や大学院で法学の勉強や研究を何年も積んだうえ世界でも過酷と言われる我が国の司法試験に合格し、その後も何ヶ月もの地裁での研修を経て、裁判官、検事そして弁護士のいずれかを選択するらしいのですが、その際に弁護士を選んだ方々の事だそうです。
裁判官と検事は公務員ですから、社会的地位と収入は約束されます。
でも弁護士は違います。
困った人々から仕事の依頼を頂く請負業になるので、競争にさらされるし腕前や評判が悪ければ当然、仕事がこなくなります。
弁護士になりたての先生方に昔聞いた話では、前述3つの選択は各自で決めるのだそうで、成績による優劣などや“誰かに決められる”は無いとの事でした。
ということなら、私なら裁判官や検事を選ぶだろうなと思うのです。
地位も収入も安定、年金だって良いでしょう。活躍すれば叙勲もあるし、裁判官なら引退しても公証人だとか地位の高い隠居生活を送れるそうですから。
なのにあえて弁護士を選ぶ人は、よほど崇高な志をもって、あえて経済競争の荒波に漕ぎ出す勇敢な人達だと思うのです。
裁判官や検事だって大変なのは当然でしょうが、マスコミや世間は特別な人の様な扱いとなっていて違います。ほんとは出所は一緒なのに、です・・・。
以前 『倒産列伝006~やんちゃ社長とボロ着先生』 では、袖のほつれたスーツを着ながらも依頼人のために企業再生を請負い成功させる、すごい先生のことを書きました。
貧乏だからではなく忙しくてスーツを買う暇もなかった人ですが、寝る間も惜しんで再生を果たしてくれて、我々がその感動に浸ろうとしたときにはもう次の仕事に行かれている。
とても凡人には真似できません。
私が今までに出会った「素晴らしい弁護士さん」は皆、どんなに疲れていても、依頼人がどんなにくだらない、回りくどい、ど下手な説明をしても、寝不足で真っ赤な目をしているにもかかわらず一言一句聞き漏らさぬように大きめのレポート用紙にメモを取る、そのすごい誠意と忍耐と集中力のある姿にとても感心したものです。
一方で、「なんて言っていいのかわからない」「こりゃとんでもないな」「かんべんしてくれよ」といったヤバい先生方もいらっしゃいました。ご自身の目指すところが高すぎたのか、なんだか変な方向に言っちゃってる先生、昔は崇高な目的で弁護士を志したのでしょうが、どこかで道を誤ったかもしれない先生、なんでもかんでも悪だときめつける、とにかく激しい先生、債権者として彼らと接したエピソードを、今回はそれぞれ短く記していきたいと思います。
②どーかつ先生 ③のんだくれ先生 ④やめけん先生の3本となります。
(②へつづく)