倒産列伝

倒産列伝013~バブル清算期の記憶「鬼の形相、仁王立ちでお出迎え」③

 通されたフロアに、もっと驚きました。  3階は銀行のフロアだったはずで、支店長とか二人目の鬼にお出迎えされるのかと思ったのですが、大きく拍子抜けしました。  なんとそのフロアには誰もいなかったのです。つまり、もぬけの...
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倒産列伝013~バブル清算期の記憶「鬼の形相、仁王立ちでお出迎え」②

 世の中でも大事としてニュースになった日本長期信用銀行の破綻、私の会社も当時お付き合いがありました。  バブル後期、元政府系銀行ということでヒラの融資担当でも当社迎賓用の車止めにハイヤーを止め乗り込んできて、商談が終わるまで...
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倒産列伝013~バブル清算期の記憶「鬼の形相、仁王立ちでお出迎え」①

 与信管理の実務では、当然に自分の属する会社よりも規模や年商、社会的地位の高い企業を与信する機会が多くあります。  今でもそんな企業相手には「審査の必要なし」としてスルーしてしまう審査担当もいる事でしょう。   ...
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倒産列伝012~華やかな世界、支えているのは⑪

 かなりの時間が経ったと思います。  破産手続が終了し、あの社長の会社は消滅しました。  あれから、あの社長の意識は戻ったのか、ご夫婦はどうなったのか・・・気がかりではありましたが 裁判所の手続きや債権者集会への...
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倒産列伝012~華やかな世界、支えているのは⑩

 「あなたの言う事はわかる気もしますが、元顧問だった知合いの弁護士に相談します。」  社長は、まゆ一つ動かさず、私にこう言いました。  そして、悲しそうな顔で話を続けました。 社長:「この部屋は、もともと妻が購入...
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倒産列伝012~華やかな世界、支えているのは⑨

 さて社長との話し合い、いよいよ担保を徴求しなければならない山場を迎えました。  当社が、先方を支援する具体的段取りとその誠意をご理解頂いた、このタイミングしかありませんでした。 私 :「それでは一連のこの件、...
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倒産列伝012~華やかな世界、支えているのは⑧

 「昔はいい男だったんだろうな」  ホリ深く端正、でもしわの多くなってしまった初老の真面目なお顔は、これまで傲慢な大手企業の無理な要求に、さんざん耐えてきたお顔なんだと思えました。  私どもの要求にも「わかった、その方...
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倒産列伝012~華やかな世界、支えているのは⑦

 私が考えたのは、大手の面子を守る方法であったかもしれません。  でも、私なりに頭を絞ったのですが、あのやり方しか思い浮かばなかったのです。  しかし、「大手に騙されてはいけない」とか、「良い様に利用されている」とか、あれこれ...
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倒産列伝012~華やかな世界、支えているのは⑥

 ええカッコしに限って、「自分の与信は大丈夫!!」と言い切ります。  たいていの理由が「信頼関係が出来ているから」というのです。  我々が出張ってくると「与信管理なんか必要ない」とまで返してきます。  与信管理と...
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倒産列伝012~華やかな世界、支えているのは⑤

 社長とS氏の会話を聞いていると、わからない用語や人名が多く出てきて、それの注釈を私がお願いするたびに「そんなことも知らないの?」とS氏に突っ込まれるのでした。  彼らから見て、「あれほどヒットした作品なのに・・・」と言いた...